しつけ糸は、前日までに取りましょう。

新調された着物や丸洗いなどのお手入れ後の着物には、しつけ糸が縫い目や折り目などを仮に押さえるために縫ってあります。
「どこを切ればいいの?」と、慣れない時は心配ですよね。
取っていいしつけ糸は、取りやすいようにざっくりと大きい縫い目で縫われていますので、目で見てすぐに分かります。


仕立屋さんにもよりますが、袖口、袂、裾などに付いています。
細かく取りにくく縫われている(点状の縫い目)ものは、取ってはいけません。

取りやすいけれど、当日に慌てて取ると、一部取り忘れがあっては困りますので、前日までにゆとりをもって、丁寧に取りましょう。
新調したり、綺麗にお手入れされた着物を整えることは、とても嬉しいものです。
着物を纏う楽しみは、準備の時間から始まっています。
しつけ糸を取ることも、楽しんでくださね。

伊與田(いよた) 利恵(としえ)

伊與田(いよた) 利恵(としえ)

「KIMONO IYOTA」和装スタイリスト
着付け師
着付け講師
美容師
フォーマルウエアマイスター
骨格スタイルアドバイザー
美塾プロデュースナチュラルメイクアップアーティスト
WPA協会認定プロフェッショナルプランナー
和婚アカデミーマスター

わたくしは、七五三の御祝着から花嫁衣装、年齢でいうと幼児から88歳の方までに、着物をお着せしてきました。
思い返せば着付け師になるという夢の種は、幼い頃に見た母の花嫁姿メイキングの8ミリビデオによって、わたくしの心に蒔かれていました。
しかし、その種は芽を出すことなく、自分自身もその種に気づくことなく、長い年月を主婦として暮らしてきました。
そして、子供の手が離れた頃に通っていた着付け教室で、外国人留学生に振り袖を着せるという海外交流事業に参加することとなりました。
自分の振り袖姿を見た時の飛び上がるように大喜びをする外国人留学生達を目にした時、わたくしができることで、こんなにも喜びを感じていただけることがあったのだと、感激し、その日から、その笑顔が忘れられなくなりました。
そのこともきっかけのひとつとなり着付け師となり、着付けを仕事としてするようになりました。
そうした中で、和装はヘアアレンジやメイクアップも含めたトータルビューティーが重要であるとの実体験から、美容師の免許を取得し、ヘアアレンジやメイクアップの学びも深めてまいりました。
よりお客様の着物姿が素敵に輝きますようにとの想いを込めて日々精進しております。
これまでの学びの中で得た知識と技術、加えてわたくしの実体験が皆様のお役に立てれば嬉しく思います。

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